おいものいもむし エビガラスズメの羽化に立ち会った話
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/10/e-2.png)
羽化直後の
エビガラスズメ
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/07/殊勝2.png)
横長にすると、スマホで見やすくなると思います。すみません。
スズメといっても鳥ではありません。
昆虫のおはなしです。 写真もあります。
苦手な方はご注意ください。
エビガラスズメ(学名: Agrius convolvuli)は、
チョウ目スズメガ科の昆虫です。
蝦殻天蛾と書きます。
大きめの蛾で、胴体がエビっぽい模様をしています。
羽化に立ち会う
11月の上旬、ひととおり農作業を終えて、
帰宅の準備をしていました。
陽が落ちかけ、
風の冷たさが沁みてきたころ、
ふと、妙な気配を感じました。
誰か、呼んだ?
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/10/IMG_3503-884x1024.jpg)
すぐ先の地面を、
せかせかと動き回るモノが、います。
ネズミの小さいのかと思うほどの存在感です。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/04/naruhodo2.png)
ネズミ…?
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/10/2199124_m-1024x768.jpg)
派手目な色合いの昆虫のようです。
折りたたまれたくしゃくしゃの翅がみえます。
サナギから抜けたばかりのようです。
翅を伸ばすため、
つかまれるものを求めてさまよっているのでしょう。
思いのほか、足が速いです。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/10/2199135_m-1024x768.jpg)
高さがあるモノに、手当たり次第に登ろうとしています。
でも、みたとおり、体が大きく重いため、
ちょっとした芝草ぐらいでは、登っても倒れてしまいます。
なかなかいい足場にたどり着けません。
焦っています。必死です。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/10/2199141_m-1024x768.jpg)
なんだか、気の毒になり、
少し離れた場所のネギ畑まで連れていき、
長ネギを貸してやることにしました。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/magao-1.png)
少々ネギ臭いかもしれないけど、
我慢してもらおう。
毒にはならないとは思うけど…。
うかうかしていると、翅が伸び切らず固まってしまいそうで、
こちらがハラハラしてしまったのです。
少し、翅が伸びてきました。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/10/2199768_m-1024x768.jpg)
落ち着いて、翅の展張にかかっています。
少し、ほっとしました。
カメラの向きを変えて、お顔も写しましょう。
目が大きくてカワイイ顔立ちです。
触覚も品のいい形。
モフモフ感もあります。
だいぶ、翅も伸びてきました。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/10/2199777_m-1024x768.jpg)
翅も、だいぶ形が定まってきました。
サナギから抜け出すのは
一瞬といっていいほどの時間なんですが、
翅が伸びるのはほんとにゆっくりです。
かれこれ40分ほど経過しています。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/10/2199783_m-1024x768.jpg)
展張、完了に見えます。
きれいな形のできたての翅です。
あとは、飛び立つばかりです。
とはいえ、これからがまた、時間がかかります。
翅がしっかりするまではのを待っていて、
なかなか飛び立とうとはしません。
このサイズですし、少なくても1時間以上はかかると思います。
実は、この子には心当たりがありました。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/11/mayou.png)
きっと、あの時の子だ…。
エビガラスズメのサナギを見つけた
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/10/1952592_m-1024x683.jpg)
先だって、サツマイモを掘っていた時に、
印象的なサナギが、
掘り出されました。
7㎝ほどの長さで、
なんといっても、
いかにもチョウ目の口吻といった感じの
グルグルが特徴的です。
これまでにも、
何度か目にしてる記憶があるのだけれど、
何者かは知らずにいました。
危険を感じると、
しっぽのあたりを動かしてイヤイヤします。
これは、生きていますね~。
掘り出しちゃったものは仕方がないので、
「運が良ければ羽化できるのでは…。」と、
草藪のきわに浅く埋めておいたのでした。
それが、半月ほど前のこと。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/12/aha.png)
当たりです。
埋めたあたりを、探してみると、
見覚えのある色かたちのサナギのカラがありました。
土に浅く埋まったままで
ポッカリと穴が開いていて、中身は空っぽです。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/03/うkya-2.png)
無事羽化できたんだね。
良かった良かった。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/08/うkya-.png)
もしかして、
埋め戻した恩返しとして、
羽化に立ち会わせてくれたのかなぁ
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/po.png)
蛾だから、活動時間は夜だものね。
夕暮れに羽化して、夜に羽ばたくということね。
蛾には、口のないタイプもいるけれど、
エビガラスズメはサナギの形でもわかるように、
立派な口吻があります。
のばすと、体長よりも長くなります。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/12/aha.png)
美味しい蜜を吸って
元気におすごし~。
エビガラスズメの幼虫 おいものいもむし
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/10/2199113_m-1024x683.jpg)
エビガラスズメの幼虫は、
見た目を含めて、
まさにイモムシです。
ユウガオの仲間、サツマイモの葉などが食草です。
朝顔につくこともあります。
大量にあるサツマイモの葉を食べている分には、
問題なさそうなので、
特に駆除はしていませんが、
芋ほりの時にまだ、幼虫でいると、
どうしたものか困ってしまいます。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/06/mumumu.png)
ごはんが無くなったら一大事だもんね。
終齢に近そうなら、一部残して次回まで掘らずにおいておきます。
次回のイモ掘りまでに、
サナギになって、どっかに埋まっていてほしいものです。
身体の色は、住む場所などで様々なんだけど、
ムチムチで見方によってはカワイイ、イモちゃんです。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/yareyare3.png)
他国では、
食用にもなっているようです。
陽が落ちると、街灯もないこの辺は真っ暗闇になってしまいます。
無事を願いながら、帰宅しました。
11月の日没時、カメラ構えて小一時間、
ただただ、じっとしていて、それはそれは寒かったです。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/yareyare3.png)
でも、
いいもの見せてもらっちゃった。♡
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/10/DSCF5140-のコピー-1024x755.jpg)
余談
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/yareyare3.png)
『斉木楠雄』で芋ほりのシーンに登場したイモムシ
ご記憶にありますか?
その形状が、
まさにこの「おいものいもむし」そのままで、
ちゃんと検証して描いているんだなぁ
といたく感動いたしました次第です。
最近のコメント