羽化の瞬間をキレイに撮影するコツ《モンシロチョウ》
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/てょ.jpg)
羽化の瞬間を撮影するコツ
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/07/殊勝2.png)
横長にすると、スマホで、見やすくなると思います。
すみません。
羽化の瞬間を撮影したい!
前回は、羽化を見るために、その時期やタイミングの詳細をお伝えしました。
せっかくなら、キレイな動画や画像として残しておきたいものです。
手持ちの一般的なカメラやスマホでも、
ちょっとのコツで、グッと見栄えのする撮影ができます。
羽化の瞬間の撮影に必要なもの
カメラ、スマホ
一般的なもので十分です。
三脚
手ぶれ防止に必須です。クリップ式のものでもOKです。
環境
羽化の瞬間の撮影に必要な『 環境』 とは
屋外で自然の景観を背景に、羽化を撮影できたら、もう最高だと思います。
しかし、なかなかそこまで手間も時間もかけられません。
そこで、日常生活をおくりながら、
片手間でもキレイに撮影するために、まえもって環境を整えておきましょう。
幸い、被写体は時期がくるまで、
そこでじっとしているので、いくらでもリハーサルが試せます。
失敗例 環境が整っていない動画
じつは、こちら、一番最初に撮影した動画です。
ノープランで、羽化を待っていたので、背景はぐちゃぐちゃ、手ぶれでグラグラ。
記念すべき第一弾なんですけどね…。 バタバタです。
被写体のサナギの体裁を整える方法
さて、アオムシは自分で気に入った場所まで行き、そこで蛹化します。
そこが、物陰になっていたり、
撮影しにくい場所であることも多いです。
また、サナギが落っこちてしまうこともあります。
そんな状態だと、思い描く理想の羽化シーンを採るのは難しそうです。
そこで、写真映えするような状態に持っていく、テクニックを使います。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/mo7.png)
図は、水槽を縦にした飼育ケースです。
黄色の丸がよくサナギがくっついている場所です。
飼育ケースの、天井、側面、角、容器の縁も
つかまりやすいのか、よくサナギになっている場所です。
とまり棒も入れておくのですが、あんまりそれにはついてくれません。
いずれも、撮影が難しい場所で困ります。
どうせなら、こんな↓感じの写真を撮りたいです。
この形を作ってしまいましょう。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2021/12/DSCF3378-edited-1024x1024.jpg)
サナギの体裁を整えるために準備するもの
カッターナイフ
両面テープ
50㎝ほどの長さのペンほどの太さの棒
棒を立てるための花瓶等
ステップ 1 サナギをとり外す
サナギは、しっぽの先がシルク的なもので接着されています。
あとは、両端が固定された糸が
ぐるりと首の周りを囲っています。
この二か所のみで、固定されています。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/2710526_s-2.jpg)
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/mo8.png)
しっぽの先の接着部分をくっついている場所から、
カッターの刃の先で丁寧にはがします。
くれぐれも、サナギに傷をつけないよう慎重に行ってください。
写真は、キアゲハのサナギですが、
接着部分がよく見えるので参考に。
首の周りを囲んでいる糸を外します。
両側の糸の接着部分近くをはがします。
糸自体は想像以上に硬く、丈夫で簡単には切れません。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/mo9-1.jpg)
この糸は、剥がした時点で支えの役目は、もう、果たしませんが、
撮影の際にあったほうがそれらしくなります。
ステップ 2 サナギを固定する
棒に、両面テープを貼って、
そこへはがしたサナギを、そっと、くっつけます。
この棒は、自然素材のほうが見栄えもいいし、
チョウもつかまりやすいのでオススメです。
例えば、殺虫剤の心配のない庭木の枝など、
手頃なものがあれば、手に入れておきます。
両面テープを貼る場所を、平らに削るとよくくっつきます。
丈夫な草の茎でも大丈夫です。
今回、使っているのは、昨年の秋に用意したオオヨモギの茎です。
小さな枝がついているとか、でこぼこが多いとか、
チョウがつかまりやすい形状であれば、最高です。
棒に両面テープを貼る
両面テープを、棒の、どの位置に貼るかですが、
棒を、花瓶など支えるための何かに立て、
三脚にスマホなどをセットし、
モニター画面を見ながら、
撮影しやすい位置を検討します。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/mo11.png)
例えば、架空のサナギを想像しながら、
花瓶とカメラの距離、角度、三脚の高さなど決めます。
もちろん、チョウがつかまりやすい個所、見栄えのいい箇所など検討し、
棒の長さなども調整します。
そして、位置が決まったら、
両面テープを1.5㎝ほど切り取って、棒に貼り付けます。
その両面テープの位置へ、サナギをくっつけることになります。
サナギを棒に貼った両面テープにくっつける
それでは、サナギを貼り付けましょう。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/mo10.png)
サナギのおなか部分は
少し平らになっています。
そこを、粘着部分にそっと押し当てると、サナギは固定されます。
モンシロチョウ程度の、軽いサナギであればこれで大丈夫です。
加えて、この時、肩を固定していた糸の端も、
テープにくっつけると、なお、見栄えが良くなります。
棒の形状などで、安定しないときは、棒を少し削って平らにしてから、
両面テープをつけてみます。
テープの粘着部分はサナギの頭より前へ出さないほうがいいです。
チョウの足の運びがテープで邪魔されたら大変です。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/09/b.png)
落ちちゃったサナギのケアとしても、
この方法は使えます。
被写体の背景を整える方法
上記で、被写体の準備はOKですが、
さらに、背景や光の当たり具合にも気を配ってみましょう。
バックスクリーンを使う
室内、それも生活している自室で撮影となると
家具や小物などが写りこんでしまいがちです。
見た目もごちゃごちゃするし、個人情報も漏れてしまいます。
そのためには、写真館のように、撮影用のバックスクリーンを使い、
余計なものが写りこまないようにするのが一番です。
といっても、板やカーテンなどを利用する程度で十分です。
なぜなら、被写体が小さいので、
モニター画面に写る範囲をカバーするだけすむからです。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/09/kibou.png)
小規模なので、設置したままで羽化を待っていても、
生活に支障が出なくて、好都合。
おススメしたいのが、ホームセンターなどで売っている青色の板状の断熱材です。
その資材は、強い反射光もないうえ、色が青なので、なんとなく自然に見えます。
さらに、軽いので立てかけやすく、倒したとしても被害があまりありません。
光の方向を意識します
撮影の際は、室内なのはやむを得ないのですが、
それでも、窓からの明かり、自然光で撮影したほうがいい感じになります。
とはいえ、
自然光といっても、特別な効果を求めるのでなければ、
窓側を背景にしての撮影は、
逆光になり、被写体が暗くなってしまうのでさけます。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/IMG_8246-1024x683.jpg)
おススメの配置
このように、↓窓からの光がサナギに当たるよう、
室内の窓(光源)の反対側にスクリーンを設置します。
そして、その前に被写体のサナギを置きます。
撮影するための機材(三脚付きのスマホ等)を置く位置を、
モニター画面を見ながら、決めていきます。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/mo12.png)
その時に、三脚の影が入ったり、スクリーンの位置が近すぎると、
サナギの影がスクリーンに出ちゃったりするので、角度や、位置を微調整します。
縦長で撮るか、横長で撮るか
結論を言えば、縦長画面、横長画面どちらでも、お好みでいいと思います。
例えば、横長だと動画にしたとき大きな画面にできますし、
編集の手間があまりいらないです。
また、より接近して大きくとりたいときは、縦長のほうが撮りやすいです。
なぜならば、
サナギから抜け出して、チョウは上へ登りますし、
下へ向かって翅がどんどん伸びていくからです。
つまり、羽化は上下の動きが主になるということです。
それから、動きに関してですと、
羽化したチョウは、しばらくは飛べないのでとまり棒にしがみついていますが、
たまに、くるんと棒の陰に回り込むこともあります。
そうなると、困ったことに、肝心の部分が棒で隠れてしまいます。
そんな時、棒を動かすか、三脚ごと回り込むか、
あらかじめ対策を立てておくと慌てずにすみます。
サナギの下に汚れ防止のシートを敷きましょう。
さて、これは、撮影とは関係ない情報ですが、
羽化後のチョウは、蛹便とよばれる液体を排出します。
室内を汚さないために、
なにかそのまま捨ててもいいもの(古新聞紙など)を敷いておきましょう。
![](https://beoneself2021.com/wp-content/uploads/2022/01/2492006_s.jpg)
羽化の瞬間の動画もご覧ください。
動画 モンシロチョウの羽化の瞬間
サナギの固定部分が不細工なんですが、細かいところまで、よく映りました。
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