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おいものいもむし エビガラスズメの羽化に立ち会った話

2022-11-19

羽化直後の
エビガラスズメ

横長にすると、スマホで見やすくなると思います。すみません。

スズメといっても鳥ではありません。

昆虫のおはなしです。 写真もあります。 

苦手な方はご注意ください。

エビガラスズメ(学名: Agrius convolvuli)は、

チョウ目スズメガ科の昆虫です。

蝦殻天蛾と書きます。

大きめの蛾で、胴体がエビっぽい模様をしています。

羽化に立ち会う

11月の上旬、ひととおり農作業を終えて、
帰宅の準備をしていました。

陽が落ちかけ、
風の冷たさが沁みてきたころ、
ふと、妙な気配を感じました。

誰か、呼んだ?


すぐ先の地面を、
せかせかと動き回るモノが、います。
ネズミの小さいのかと思うほどの存在感です。

ネズミ…?

派手目な色合いの昆虫のようです。

折りたたまれたくしゃくしゃの翅がみえます。

サナギから抜けたばかりのようです。

翅を伸ばすため、
つかまれるものを求めてさまよっているのでしょう。

思いのほか、足が速いです。

高さがあるモノに、手当たり次第に登ろうとしています。

でも、みたとおり、体が大きく重いため、
ちょっとした芝草ぐらいでは、登っても倒れてしまいます。

なかなかいい足場にたどり着けません。

焦っています。必死です。

なんだか、気の毒になり、
少し離れた場所のネギ畑まで連れていき、
長ネギを貸してやることにしました。

少々ネギ臭いかもしれないけど、
我慢してもらおう。
毒にはならないとは思うけど…。

うかうかしていると、翅が伸び切らず固まってしまいそうで、
こちらがハラハラしてしまったのです。

少し、翅が伸びてきました。

落ち着いて、翅の展張にかかっています。
少し、ほっとしました。

カメラの向きを変えて、お顔も写しましょう。

目が大きくてカワイイ顔立ちです。
触覚も品のいい形。
モフモフ感もあります。

だいぶ、翅も伸びてきました。

翅も、だいぶ形が定まってきました。

サナギから抜け出すのは
一瞬といっていいほどの時間なんですが、
翅が伸びるのはほんとにゆっくりです。

かれこれ40分ほど経過しています。

展張、完了に見えます。
きれいな形のできたての翅です。

あとは、飛び立つばかりです。

とはいえ、これからがまた、時間がかかります。
翅がしっかりするまではのを待っていて、
なかなか飛び立とうとはしません。

このサイズですし、少なくても1時間以上はかかると思います。

実は、この子には心当たりがありました。

きっと、あの時の子だ…。

エビガラスズメのサナギを見つけた

先だって、サツマイモを掘っていた時に、
印象的なサナギが、
掘り出されました。

7㎝ほどの長さで、
なんといっても、
いかにもチョウ目の口吻といった感じの
グルグルが特徴的です。

これまでにも、

何度か目にしてる記憶があるのだけれど、
何者かは知らずにいました。

危険を感じると、
しっぽのあたりを動かしてイヤイヤします。

これは、生きていますね~。

掘り出しちゃったものは仕方がないので、

「運が良ければ羽化できるのでは…。」と、

草藪のきわに浅く埋めておいたのでした。

それが、半月ほど前のこと。

 当たりです。 

埋めたあたりを、探してみると、
見覚えのある色かたちのサナギのカラがありました。

土に浅く埋まったままで
ポッカリと穴が開いていて、中身は空っぽです。

無事羽化できたんだね。
 良かった良かった。


もしかして、
埋め戻した恩返しとして、
羽化に立ち会わせてくれたのかなぁ

蛾だから、活動時間は夜だものね。
夕暮れに羽化して、夜に羽ばたくということね。

蛾には、口のないタイプもいるけれど、
エビガラスズメはサナギの形でもわかるように、
立派な口吻があります。
のばすと、体長よりも長くなります。

美味しい蜜を吸って
元気におすごし~。 


エビガラスズメの幼虫 おいものいもむし

エビガラスズメの幼虫は、
見た目を含めて、
まさにイモムシです。

ユウガオの仲間、サツマイモの葉などが食草です。
朝顔につくこともあります。

大量にあるサツマイモの葉を食べている分には、
問題なさそうなので、
特に駆除はしていませんが、
芋ほりの時にまだ、幼虫でいると、
どうしたものか困ってしまいます。

ごはんが無くなったら一大事だもんね。

終齢に近そうなら、一部残して次回まで掘らずにおいておきます。


次回のイモ掘りまでに、
サナギになって、どっかに埋まっていてほしいものです。

身体の色は、住む場所などで様々なんだけど、
ムチムチで見方によってはカワイイ、イモちゃんです。

他国では、
食用にもなっているようです。


陽が落ちると、街灯もないこの辺は真っ暗闇になってしまいます。

無事を願いながら、帰宅しました。


11月の日没時、カメラ構えて小一時間、
ただただ、じっとしていて、それはそれは寒かったです。

でも、
いいもの見せてもらっちゃった。♡

余談

斉木楠雄』で芋ほりのシーンに登場したイモムシ
 ご記憶にありますか?

その形状が、

まさにこの「おいものいもむし」そのままで、
ちゃんと検証して描いているんだなぁ 
といたく感動いたしました次第です。

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