ヨモギ・美味しくて有能! 畑周辺の役に立つ雑草
ヨモギ
役に立ちすぎる雑草
作物以外の、勝手に生えてくる草が雑草と呼ばれ、畑の邪魔モノ扱いです。
でも、自然農法では、生物相の正常化や、土壌の改善に重要な働きをするなくてはならない存在です。
そして、もっとダイレクトに役に立つナイスな雑草も数多くあります。
今回はヨモギについてご紹介いたします。
ヨモギには、植物学的には多くの種があります。
ここではモチグサ(カズザキヨモギ )と呼ばれるよく見かけるものと
背丈が2mをこすオオヨモギを便宜上ヨモギとしています。
この二つは、ほとんど区別なく使われています。
沖縄のフーチィバはニシヨモギという種です。
キク科で
ヨモギ属、アルテミシア属(学名:Artemisia)ともいう。
月に女神アルテミスが語源らしいです。
ヨゴミと発音することも。
方言的なもので、誤りではありません。
ヨモギのお役立ちポイント
食用となること。
薬草として広く利用されていること。
支柱として使えること。
食用・薬用
《注意》ヨモギの見分け方
ヨモギを食用、薬用に使う際に気をつけたいのは、間違いやすい植物があることです。
ヨモギは、葉の裏が白く、産毛があります。
そして、独特の香りが特徴です。
間違いようがない気がしますが…。
ハナ風邪をひいているときもありますものね。
特に、トリカブトとの誤食は要注意じゃ~!。
猛毒です!
くれぐれも、お気をつけて💦
食用
草餅に、また野草として、天ぷらやおひたしなどで食べます。
草餅にするときは、春の柔らかい葉を摘んで、ゆで、お餅につきこんだり、すりつぶしてお団子に混ぜたりします。
草餅は、おいしいね~。
春先のよもぎは、あく抜きはいりません。
すりつぶしたものは冷凍保存できます。
すっかり成長した5月ごろになったら、重曹などであく抜きして使います。
薬用
ヨモギは、薬草としてのイメージも強いです。
薬用としての使い方は、
①お風呂に入れ、薬湯とします。
腰痛、冷え性、痔に効果があります。
②焼酎などに漬け込み化粧水にします。
③切り傷、虫刺され、かゆみ止めには、
生葉のしぼり汁をぬります。
煮汁を、数時間煮詰めたものは湿疹にも使用します。
④生葉の青汁は、
高血圧、神経痛、胃腸が弱っているときに
砂糖を加えたものを服用します。
⑤腹痛、貧血、痔の出血に
5~8gを、500mlの水で煎じたものを
食間に服用します。
この量は一日分です。
⑥喘息には、
根300gを1.8Lの清酒につけ、
半年以上熟成させたものを濾したヨモギ酒、
20mlを、一日3回服用します。
⑦煮汁を水飴状になるまで煮詰めたヨモギエキスは、
難病にも効くといわれます。
が、あげられます。
また、オオヨモギの産毛を集めたものが、お灸で使うもぐさです。
乾燥させた葉を燃すと蚊よけになると聞いて、
試したことがありました。
ものすごく煙が出て、蚊もつらいけど人も辛かったなぁ。
支柱として
ヨモギは夏になると、ぐんぐん背丈が伸びてきます。
秋には風媒花(花粉症の原因になることも…。)である花をつけ、そのまま冬に立ち枯れるまで成長を続けます。
この長く伸びた茎が木化(木のようになって)してエコロジーでエコノミーでサスティナブルな支柱となります。
『麻中之蓬』という言葉がありますが、
群生の茎は、ほれぼれするほど、まっすぐです。
なんで、こんな言い回しがあるのだろ?
ぽてぽて実験農場には、普通のヨモギとオオヨモギの二種類があります。
オオヨモギは2m以上にも成長しますので、支柱としては、ほんとに有能です。
冬に立ち枯れて、そのまま雪に埋もれたものは、春には、すっかり水分が抜けて軽く丈夫です。
葉は失くなってしまっています。
群生していたので、一か所に誰かが揃えたかのようにまとまってあります。
ただ拾うばかりの便利さです。
種を植えた場所の目印、苗が小さい頃の支えとして重宝します。
長いものは、土に刺しても1m以上に余裕があります。
エンドウを、ヨモギ支柱のみで栽培できるか試してみました。
ヨモギ支柱を地面にさし、互い違いに絡ませただけです。
それに、発芽したえんどうが絡みつき、お互いに支え合いました。
実が多くなってくると、さすがに重さで負けます。
早採りは心がけました。
緩く組んだ支柱でも、ツルが、うまく絡まり、倒れることなくちゃんと収穫できました。
写真が分かりにくく恐縮です。
栽培終了後は、そのまま放置しておくだけで自然分解されるという手間いらず。
金属製の支柱や化繊のネットは、ゴミになるのが、嫌なんだよね。
ヨモギ支柱、おススメです。
雑草としては大敵!
ヨモギは、地下茎を伸ばしてものすごく増えます。
本来、丈夫丈なうえ、他の植物を駆逐するアレロパシー( Allelopathy)もあります。
畝上に生えてきたときは、しっかり取り除きましょう。
席巻されます。
あの増えやすいミョウガでさえ、ヨモギには侵入を許します。
便利だけど、油断もならないヨモギさん。
※アレロパシー・
他の植物の生長を抑えたり、自分に都合がよくなるような物質を放出して他に影響をを与える効果のことです。
様々な物質やパターンがあり、コンパニオンプランツや連作障害を考える時の材料になります。
薬草コーディネーター
資格取得しました。
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