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ヤブマメ・美味しい・不思議!《家庭菜園周辺の役に立つ雑草》

2022-10-08

美味しくて、不思議な植物
 【ヤブマメ】

横長にすると、スマホで見やすくなるかと思います。すみません。

ヤブマメとは


作物以外の、勝手に生えてくる草は雑草と呼ばれ、畑の邪魔モノ扱いです。

でも、
自然農法では、生物相の正常化や、
土壌の改善に重要な働きをするなくてはならない存在です。

そして、そればかりではなく、
もっとダイレクトに役に立つナイスな雑草も数多くあります。

今回は、ヤブマメをご紹介します。

ヤブマメ 外見

小さいけど、とてもきれいなヤブマメの花(9月)

ヤブマメ(藪豆)
(学名:Amphicarpaea edgeworthii Benth. )は、
よくみかけるマメ科のつる性一年草です。

並みいる雑草の中では、ツルが細く、葉も薄く全体的にひかえめな印象です。

そして、その見た目にダマサレる植物です。

こんな感じの葉っぱです

かぼそいツルは丈夫で、めったなことではちぎれません。

野菜用のネットに、ソッとはいのぼってきますが、
楚々としたたたずまいに、危機感がなく、ついつい放置してしまいがちです。

そして、気がついて時には、もう…。という雑草です。

からみつかれたネットの撤去時は、
ちぎれないし、地面にしっかり根付いていて
はがしにくいよー。

お役立ちポイント

【鑑賞】 花がとてもキレイで癒されること

【食料】 食用として、かなり美味しいこと

【希代】 繁殖方法にちょっとビックリできること

【鑑賞】ヤブマメのきれいな花 

9月ごろ、マメ科らしいきれいな花を咲かせます。

2㎝前後と小さいものですが、数株まとまって咲いていると見ごたえがあります。

この時期は、雑草の勢力が旺盛で一番厄介な時期です。
フル回転の草取りで余裕がないのですが、つい、見とれてしまう魅力があります。

もしかすると、

「私、キレイでしょ。だから切らないで!」
というアピールなのかも…!
        …したたか…。

【食料】採取法・調理法

洗いあげたヤブマメ・食用部分

食用の豆のでき方と採取法

地上部のさやは違います

注意!
ヤブマメの地上のさやは食べません

花が終わると、ツルに写真のような豆ができます。
エンドウや小豆を思わせるかたちです。

よく似た植物に、ツルマメがありますが、
そちらは、さやの形が大豆っぽいです。

2㎜ほどの小さな豆の形がみてとれます。

ヤブマメや、ツルマメは、それらの豆の原種らしいです。

しかし、ヤブマメの食用の豆はこれではありません。
土の中にできています。

さやには、とても小さい豆ができるよ。
若いうちは、さやごと食べることもできます。

採取の場所は、土の中

ヤブマメは、
ネットや支柱、ほかの背の高い植物に絡まって生きています。

ツルをたどり、引き抜いたり
根が広がっていると目星をつけたあたりを、掘ってみます。

支えになっている植物ごと引き抜き、露出した土を掻いてみるのも掘りやすいです。

ヤブマメに覆われて本体の草が見えません。

そんなに深いところにはありません、2~7㎝の深さといったところです。

粗めの、くまでのような道具も便利です。

土から顔をのぞかせたマメ

土を掻き出していると、1㎝前後の、紫の色味のある豆が出てきます。
未熟なものは小さく、白っぽいです。

それが、食用になる雑草の豆、『ヤブマメ』です。

ヤブマメの実は、
落花生の子房柄のようなツルにつながって地中で生育しています。

doguusisyo

落花生は、花が咲き、受粉してから
子房柄が地中へもぐり結実するのじゃが…。

ヤブマメはそうではないんじゃ。
後述するぞえ…

掘り出されたマメ

小さな豆を、土の中から見つけるなんて、
どんなに大変かと思うところですが、思いのほか、見つけやすいです。

瞬く間に、ひとにぎりほどになりました。

土だらけだったので、別な箱に拾い出しました。
ちょっと、キレイなお顔になってます。

さて、美味しくいただきましょう

調理法

茹でる

ためしに生のままで、かじってみます。

青臭い、まさに生の豆を噛んだ時の味わいです。

でも、エグミやアクは感じないので、加熱すればどんな食べ方でもできそうです。

今回はシンプルにゆでます。

水で、ゴミや土を洗い流します。

固めだし、けっこう大きいものもあるので、10分ぐらい茹でます。

…グツグツ…

調理の様子は
下記の動画で見られます!

薄皮も裂けて、よさそうな感じです。
ちょっとつまんで食べてみました。

充分です。ゆですぎたくらいですね。

あみ杓子ですくい、お皿にうつしました。

色は黒いですが、湯気があがっておいしそうです。

ゆでていると、お湯が黒っぽくなってきて、
その色が中の豆にも移り、色がついています。

( なんか、こんな見た目のお菓子あった気がする…。)

本来の豆は乳白色です。
この色の感じはアントシアニンではないかと思います。

お酢をかけてみてピンクになれば、ほぼ確定なのですが、ついつい美味しくて一気に食べてしまました。

ヤブマメは、民間薬的にも薬効はないようなのですが、
嗜好品としても、カロリー源としても、アントシアニンの抗酸化作用も期待できそうです。 

…優秀、優秀、…。

ホクホクと、少し粉っぽさもあり、コクのある、
ちょうどアピオスのような風味です。
ゆでピーナッツにも近いかもしれません。

冬を越して、春先に掘り出したほうが、
甘みが増して美味しいということですが、今のままでも十分においしいです。

作物や資材の撤去の時に、細いツルが地面とつながっていたら、
ためしに掘ってみるのもいいですね。

短い動画を作ってみました。
よろしければご覧になってください。

【希代】繁殖方法にちょっとビックリ

驚きの繁殖戦略

なにが、驚きかというと、
ヤブマメには、
開放花・閉鎖花・地中の閉鎖花という三種類の花があって、
それぞれが、利点のある種を作ることができるというところです。

1、開放花

ヤブマメの花といって思い浮かぶ、普通の花です。

ムシなどの行動で別な個体の花粉を受粉し、遺伝子の組み合わせで次世代に変化を期待できるタイプです。

地上の花の熟したさや
地上の花の熟した種

2、閉鎖花

花が閉じていて、他の個体の花粉を受粉できないようになっています。

次世代はクローンになります。

現実に成長し、結実までできた優秀な個体なので、残す価値があるということです。

遺伝子の組み合わせ次第では、さらに優秀な次世代ばかりではなく、うまく育てないものもあらわれる可能性もありますよね。

リスクをさけた実績重視のタイプです。

この上記ふたつが、さやをつけ2㎜ほどの小さな種をつくります。

このさやも、若いうちは食べられるのですが、すぐに硬くなってしまうし、小さすぎるしで、オススメするほどではありません。

3、地中の閉鎖花

こちらの、種が食用にむいているものです。

土の中で閉鎖花をつけて、そこで結実します。

なぜ?そんな! 広い世界に出たくないの~? という感じですが、

実際に親株が成長できた良い環境までを、地上の閉鎖花(実績重視タイプ)が、そのまま受け継ぐという
この『地中の閉鎖花』は、老舗有名店タイプです。(二世議員にも近いかな…。)

一年草ながら、ほぼ確実に、次世代は繁栄を約束されているのです。

すごくないですか?

個人の一回きりの人生のなかで、無謀な夢を追うこともできるし、実績を持って羽ばたくこともできるし、一族の盤石の家業を継いで繁栄もしていけるということなんです。

珍しいと思っていただけましたでしょうか。
畑のヤブマメが駆除しきれないワケに
合点がいきますよね~。


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