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ヤブマメ・美味しい・不思議!《家庭菜園周辺の役に立つ雑草》

2023-09-11

美味しくて、不思議な植物
 【ヤブマメ】

横長にすると、スマホで見やすくなるかと思います。すみません。

ヤブマメとは


作物以外の、勝手に生えてくる草は雑草と呼ばれ、畑の邪魔モノ扱いです。

でも、
自然農法では、生物相の正常化や、
土壌の改善に重要な働きをするなくてはならない存在です。

そして、そればかりではなく、
もっとダイレクトに役に立つナイスな雑草も数多くあります。

今回は、ヤブマメをご紹介します。

ヤブマメ 外見

小さいけど、とてもきれいなヤブマメの花(9月)

ヤブマメ(藪豆)
(学名:Amphicarpaea edgeworthii Benth. )は、
よくみかけるマメ科のつる性一年草です。

並みいる雑草の中では、ツルが細く、葉も薄く全体的にひかえめな印象です。

そして、その見た目にダマサレる植物です。

こんな感じの葉っぱです

かぼそいツルは丈夫で、めったなことではちぎれません。

野菜用のネットに、ソッとはいのぼってきますが、
楚々としたたたずまいに、危機感がなく、ついつい放置してしまいがちです。

そして、気がついて時には、もう…。という雑草です。

からみつかれたネットの撤去は、
つるが、ちぎれないし、
地面にしっかり根付いてるし、
はがしにくいよー💦

お役立ちポイント

【鑑賞】 花がとてもキレイで癒されること

【食料】 食用として、かなり美味しいこと

【希代】 繁殖方法にちょっとビックリできること

【鑑賞】ヤブマメのきれいな花 

初秋、マメ科らしいきれいな花を咲かせます。

2㎝前後と小さいものですが、数株まとまって咲いていると見ごたえがあります。

この時期は、雑草の勢力が旺盛で一番厄介な時期です。
フル回転の草取りで余裕がないのですが、つい、見とれてしまう魅力があります。

もしかすると、

「私、キレイでしょ。だから切らないで!」
というアピールなのかも…!
        …したたか…。

【食料】採取法・調理法

洗いあげたヤブマメ・食用部分

食用の豆のでき方と採取法

地上部のさやは、違います

注意!
ヤブマメの地上のさやは食べません

花が終わると、ツルに写真のような豆ができます。
エンドウや小豆を思わせるかたちです。

よく似た植物に、ツルマメがありますが、
そちらは、さやの形が大豆っぽいです。

2㎜ほどの小さな豆の形がみてとれます。

ヤブマメや、ツルマメは、それらの豆の原種らしいです。

しかし、ヤブマメの食用の豆はこれではありません。
土の中にできています。

さやには、とても小さい豆ができるよ。
若いうちは、さやごと食べることもできます。

採取の場所は、土の中

ヤブマメは、
ネットや支柱、ほかの背の高い植物に絡まって生きています。

根が広がっていると目星をつけたあたりを、掘ってみます。

支えになっている植物ごと引き抜き、
露出した土を掻いてみるのも掘りやすいです。

ヤブマメに覆われて本体の草が見えません。

そんなに深いところにはありません、
2~7㎝の深さといったところです。

粗めの、くまでのような道具も便利です。

土から顔をのぞかせたマメ

土を掻き出していると、
1~2㎝ほどの、紫の色味のある豆が出てきます。
未熟なものは小さく、白っぽいです。

それが、食用になる雑草の豆、『ヤブマメ』です。

ヤブマメの実は、
落花生の子房柄のようなツルにつながって地中で生育しています。

doguu師匠

落花生は、花が咲き、受粉してから
子房柄が地中へもぐり結実するのじゃが…。

ヤブマメはそうではないんじゃ。
詳しくはあとでな

掘り出されたマメ

小さな豆を、土の中から見つけるなんて、
どんなに大変かと思うところですが、思いのほか、見つけやすいです。

瞬く間に、ひとにぎりほどになりました。

土だらけだったので、別な箱に拾い出しました。
ちょっと、キレイなお顔になってます。

さて、美味しくいただきましょう

調理法

茹でる

ためしに生のままで、かじってみます。

青臭い、まさに生の豆を噛んだ時の味わいです。

でも、エグミやアクは感じないので、
加熱すればどんな食べ方でもできそうです。

今回はシンプルにゆでます。

水で、ゴミや土を洗い流します。

固めだし、けっこう大きさものもあるので、10分ぐらい茹でます。

…グツグツ…

調理の様子は
下記の動画で見られます!

薄皮も裂けて、よさそうな感じです。
ちょっとつまんで食べてみました。

充分です。ゆですぎたくらいですね。

あみ杓子ですくい、お皿にうつしました。

色は黒いですが、湯気があがっておいしそうです。

ゆでていると、お湯が黒っぽくなってきて、
その色が中の豆にも移り、色がついています。

なんか、
こんな見た目のお菓子あった気がする…。

本来の豆は乳白色です。
この色の感じはアントシアニンではないかと思います。

お酢をかけてピンクになれば、ほぼ確定なのですが、
ついつい美味しくて一気に食べてしまました。

ヤブマメは、民間薬的には薬効はないようなのですが、
嗜好品としても、カロリー源としても、アントシアニンの抗酸化作用も期待できそうです。 

…優秀、優秀、…。

ホクホクと、少し粉っぽさもあり、コクのある、
ちょうどアピオスのような風味です。
ゆでピーナッツにも近いかもしれません。

冬を越して、春先に掘り出したほうが、
甘みが増して美味しいということですが、
今のままでも十分においしいです。

作物や資材の撤去の時に、
細いツルが地面とつながっていたら、
ためしに掘ってみるのもいいですね。

短い動画を作ってみました。
よろしければご覧になってください。

【希代】繁殖方法にちょっとビックリ

驚きの繁殖戦略

なにが、驚きかというと、
ヤブマメには、
開放花・閉鎖花・地中の閉鎖花という三種類の花があって、
それぞれが、利点のある種を作ることができるというところです。

1、開放花

ヤブマメの花といって思い浮かぶ、普通の花です。

ムシなどの行動で別な個体の花粉を受粉し、
遺伝子の組み合わせで次世代に変化を期待できるタイプです。

地上の花の熟したさや
地上の花の熟した種

2、閉鎖花

花が閉じていて、他の個体の花粉を受粉できないようになっています。

次世代はクローンになります。

現実に成長し、結実までできた優秀な個体なので、
残す価値があるということです。

遺伝子の組み合わせ次第では、
さらに優秀な次世代ばかりではなく、
うまく育てないものもあらわれる可能性もあるからですね。

リスクをさけた実績重視のタイプです。

この上記ふたつが、さやをつけ2㎜ほどの小さな種をつくります。

このさやも、若いうちは食べられるのですが、
すぐに硬くなってしまうし、小さすぎるしで、
オススメするほどではありません。

3、地中の閉鎖花

こちらの、種が食用にむいているものです。

土の中で閉鎖花をつけて、そこで結実します。

なぜ?そんな! 広い世界に出たくないの~? 
という感じですが、

実際に親株が成長できた良い環境までを、
地上の閉鎖花(実績重視タイプ)が、そのまま受け継ぐという
この『地中の閉鎖花』は、老舗有名店タイプです。
(二世議員にも近いかな…。)

一年草ながら、ほぼ確実に、次世代は繁栄を約束されているのです。

すごくないですか?

一回きりの人生のなかで、同時に
無謀な夢を追うこともできるし、
実績を持って羽ばたくこともできるし、
一族の盤石の家業を継いで、

繁栄もしていけるということなんです。

うらやましい

珍しいと思っていただけましたでしょうか。
畑のヤブマメが駆除しきれないワケに
合点がいきます~。


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