キアゲハの羽化を観察する方法!1⃣・『ぽて²実験農場』発
キアゲハの羽化を見たいので
幼虫を手に入れます
横長にすると、スマホで見やすくなると思います。
すみません。
ニンジンや、パセリにはキアゲハの幼虫が育ちます。
家庭菜園をやっていると、よく訪れてくれます。
サナギとか、運がよかったら、羽化もみれるかな~。 と思い駆除しないでいるんですが、そんな現場は今まで出会うことはありませんでした。
食い逃げ体質
●自然のままじゃ、羽化を見るのは難しいかも…。
たとえば
モンシロチョウの幼虫、アオムシは、キャベツなどを食べて成長ます。
そして、その葉陰でサナギになっているのをよく見かけます。
サナギの大きさは、1.5㎝といったところです。
アオムシの大きさとあまり変わりません。
キアゲハの幼虫は、かなり大きいです。
3㎝はあります。
その大きさ、重さでは、ニンジンやパセリにくっついていても、安全な羽化はできそうにないですね。
そこで、いよいよサナギになるという時には、安全な場所を求めて移動します。
そのスピード、移動距離が想定外のため、見失ってしまうんです。
実際、終齢の幼虫は、脱走した小一時間で、10mほども移動していました。
キアゲハの幼虫は、食事場所では、
サナギになるつもりはないようです。
観察の際にはご注意ください。
幼虫を捕まえよう
キアゲハのサナギを見たい、
羽化もみてみたい!
その想いが、つのります。
モンシロチョウでは、散々やってきたのできっとうまくいくはず!
終齢幼虫をつかまえるぞ!
終齢幼虫がおススメ
幼虫は、ホントに大食です。
みるみる、葉を食べつくしていきます。
これだけ、食事を提供したのだから、
拉致監禁しても許されると思う。
というのもありますが、
これだけの食欲を満たすため、新鮮な生葉を毎日与えるのは、いかにも大変そうです。
ぎりぎりまで、菜園で成長させて、終齢になり切ったら、飼育ケースに入ってもらうことにします。
サナギになる着前は、ほとんど葉を食べなくなります。
とはいえ、念のため、ニンジンの小さな鉢植えを作り、葉を茂らせておきました。
自宅には、同じせり科のイタリアンパセリが繁茂しています。
食草の用意は十分と思います。
捕獲します
今回は、ニンジンにいる4個体、捕獲しました。
ハチなどに寄生されている可能性もあるので、複数あったほうが安心です。
できるだけストレスを与えたくないので直接つまんだりせず、ニンジンの葉についたままの状態で、小箱に入れ、自宅まで運びました。
もちろん、ニンジンの葉もひとつかみ摘んであります。
飼育ケースを準備する
飼育ケースは、
長いところで50㎝ぐらいの大きさの水槽を使いました。
羽化の際のとまり棒を、立てる高さが欲しかったので、ケースは側面を下にして立てています。
底に当たる部分に、新聞紙などを敷きます。
5~6枚重ねて置いて、上から一枚ずつはがして捨てていけば掃除も楽ちんです。
水槽の上部分、(立てた場合は側面)開口部はふさがないと、絶対脱走されます。
何を使ってふさごうか、思案した結果、網戸を張り替えた際のあまりを使うことにしました。
エサの交換や掃除の際、取りはずしが便利なように養生テープを使い端を止めました。
大きさもあり、中のようすもよく見えて、おあつらえ向きです。
ケースの中には、
摘みたてのニンジンの葉。
とまり棒、5本。
古新聞紙。
そして、終齢幼虫 4匹が入りました。
飼育スタート
初日
幼虫たちは、摘みたてのニンジンの葉を、いつものように食べています。
ときおり、葉の陰になってしまうので頭数を数えながら、眺めています。
5ミリほどの真黒な糞がポロポロこぼれます。
二日目
養生テープを一部はがし、掃除とエサやりです。
新聞を糞ごと、一枚取り除きました。
摘んだニンジンの葉は、もうないので、まだ新鮮そうなところは再利用し、加えて、庭に生えているイタリアンパセリを新しく与えました。
ニンジンの鉢植えも入れます。
ニンジンで育ったキアゲハだけど、パセリも食べるよ!
さて、このころから、幼虫のようすが、変わってきました。
あんなにモリモリ食べていたのに、何かを探すように、ただただ、這いまわっています。
サナギになる場所を探しているようです。
こちらは、とまり棒で、サナギになってほしいのですが…。
登っては行きますが、さらに上を目指し壁をのぼり、果ては天井をはいまわり、足を踏み外し、落下しています。
そして、懲りることなく、また上へ上へと移動していきます。
なかなか、気に入った場所が見つからないようです。
どんなところが、お好みなんだろう?
かなりの早さです。
アリに匹敵すると思います。
脱走だ~!
小一時間ほど目を離したあと、どう見ても一匹足りないことに気がつきました。
テープは、はがれていないのですが、わずかな隙間を押しひろげ、脱走してしまったようです。
ケースの3m周辺には、見当たりません。
こうなると、足一歩踏み出すのも、踏みつぶすのではないかと不安に駆られます。
「めざせ!羽化するための安全な場所!」
という幼虫の気持ちになって周辺をくまなく捜索しました。
家の中で行方不明だ~💦
安堵
捜索の結果、隣の部屋の天井の隅に、ひっそりとくっついているのを発見し、保護することができました。
ホッ…。
むろん、養生テープはわずかな隙間もないように張りなおしました。
四匹とも、ずっと動き回っています。
はいのぼり、天井まで行き、足を踏み外して落下します。
寝室に、ケースを置いていたので、一晩中、幼虫が落下する「ぼとっ」という音を聞く羽目になりました。
場所がお気に召さないんだろうな~
床は、もっと柔らかいものにしてあげればよかった…。
三日目以降
前蛹になっているものがいます。
それぞれ、ケース内の思い思いの場所にじっとしてサナギになる準備をしています。
好みの決め手は、すみっこ感ですね?
一昼夜ほどで、脱皮してサナギになりました。
脱皮の瞬間は見ることができませんでしたが、サナギの足もと?に、
『ドーナツ状に脱いだ靴下』
のような皮が落ちています。
なんとなく脱皮のようすが、うかがいしれます。
四匹とも、無事サナギになりました。
ケースに入ってからは、ほとんどエサの必要はなく、手間がかからないという点では終齢幼虫を捕獲したのは、正解だったと思います。
一か月後
サナギでいる期間は大体2週間です。
羽化が近くなると、サナギの皮が透けてきて、中の色がはっきり見えるようになります。
遠目には黒っぽく変わってくることで見当がつきます。
ただ、今は、もう間もなく10月という時期です。
季節的にこのサナギたちは越冬する可能性が高いです。
室内に置いておくと光や気温に惑わされて、寒い時期に羽化してしまうといけません。
サナギになってからは、ケースごと屋外へ(ベランダ)置き、窓の光が影響しないようにしました。
この状態で何の変化もなく、ひと月が過ぎました。
越冬サナギ確定です。
次回へつづきます
次回は、キアゲハの羽化を観察する方法!2⃣・『ぽて²実験農場』発 です。
先読みとして、羽化後のようすを、動画に編集しました。
よろしければ、ご覧ください。
動画 キアゲハの羽化・翅が広がるまで
次回は、キアゲハの羽化を観察する方法!2⃣・『ぽて²実験農場』発 です。
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