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ジャガイモの種芋は自分で作れます!《自家採種について》               

2023-04-23

ジャガイモの
種芋を買わない栽培を続けています

横長にすると、スマホで見やすくなると思います。すみません。

昔の農業は、
自分で種子を採って
作物を作ってたんだよね~?

家庭菜園でも、
種子を買わないで栽培を続けたいんだけど、
無理かなぁ…。

doguusisyuou

無理じゃないじょ!

ちかごろは、ルールや、作物自体が
変わってしまったので、注意点があるが、
自家採種(自家増殖)の可能な野菜はあるのじゃ。

法律上の自家増殖(自家採種)の注意点

「種苗法により自家増殖原則禁止」
という話を聞いたことがあると思います。

が、
育成者権が認められていない品種
(開発後に品種登録されたことがない品種 ・ 登録期間が切れた品種も)

在来種、固定種は自家採種することができます。

そして、
品種開発目的の利用や
家庭菜園などの趣味の利用では 自家採種は問題ありません。

農林水産省のHPにも、下記の記載があります。

自家増殖は一律禁止になりません。

現在利用されているほとんどの品種は一般品種であり、今後も自由に自家増殖ができます。改正法案で、自家増殖に許諾が必要となるのは、国や県の試験場などが年月と費用をかけて開発し、登録された登録品種のみです。そのような登録品種でも許諾を受ければ自家増殖ができます。

引用:農林水産省HP 種苗法の改正について  https://www.maff.go.jp/j/shokusan/syubyouhou/index.html

登録品種は下記の、

農林水産省品種登録ホームページ http://www.hinshu2.maff.go.jp/ 

で確認できます。

じゃあ。安心して種子や苗をつくってもいいんだね。

家庭菜園なら大丈夫じゃ!

じゃがの…。
種の袋に「一代交配」などと記載のあるものは、
 F1種 といって、種子が出来ても、 

親と同じものには育たないんじゃ!

生物学上の自家増殖(自家採種)の注意点

異なる品種を掛け合わせると、一代限りになりますが、
見た目が良くそろっていて、病気に強いなどの
望ましい性質の品種を作り出すことができます。

そのような 第1代:(first filial generationto)をF1種といいます。

「F1種」の野菜では、採種しても、
その種子には品種の性質が受け継がれません。

つまり、種子ができたとしても、親と同じ作物が育つことはありません。

したがって、毎回の苗・種の購入が必須になります。

農業で生計を立てるには、
病気に強く、成長が一律で早く、搬送にも耐えるという
「F1種」の便利さが大事らしいのですが…。

家庭菜園であればこそ、
経済面をあまり気にすることなく
植物本来の自然な循環に、寄り添いたいものじゃのう。

自力で作物をつくり続けられるって、
とても、価値のあるスキルなんじゃないかな。

そのとおりじゃ!
食料を自分で調達できるのは、
生命をつなぐ基本のキじゃ!

世の中、なにがあるかわからん。
余裕のあるうちにこそ、スキルは身につけておくのじゃ!

その他の注意点(病害虫)

自家増殖の注意点として、
親の病害虫が引き継がれる可能性があるということもあげられます。

病原菌やウイルス、害虫などのない健康な親株をつかいましょう。

自分で消毒することもできます。

自前の畑ではない、区画を借りる市民農園のような形態では、
病原菌やウイルスなどを持ち込んでしまうと周囲に迷惑をかけてしまいます。

その点は、くれぐれもご注意ください。


こちらでは、

翌年以降も、苗や種を買わないで栽培を続けられる作物のうち、
栽培が簡単なモノを順次、ご紹介していきます。


ジャガイモの種イモのつくりかた

ジャガイモは、植え付けから3か月ほどで収穫できます。

肥料も手間も少なくてすむうえに、保存もききます。
主食にもなる、とても重宝な作物です。

30℃を超えると、成長がとまるので、
生育期間を長くとれる、寒い地方に向いています。

きれいに咲いたジャガイモの花

いい「種イモ」とは?

今年も、無事にジャガイモが収穫できたよ。
これを、種イモにしてもいいんだよね。

まあ、そういうことなのじゃが、
ちょっとしたコツを、教えてしんぜようじゃ!

大きさ

自家採種の種では、株が大きかったり、味の良い実を選んで種を採ります。

しかし、ジャガイモは、種イモ用に選ぶなら、小ぶりのものがむいています。

小ぶりのイモが種イモに向く理由

1.芽かきの手間が減る

種イモの植え付けの後、発芽した芽は、
一か所につき2~3本にとどめ、不要な分は芽かきします。

なぜかというと、
発芽した芽を、そのまま何本も密集させて生育させた場合、

収穫されるおイモは、小さいものばかりが、数多くできるという結果になるからです。

種イモが大きいと、その分、無数に芽が出てしまい、芽かきの手間も増えます。

 せっかくの芽がもったいない。

間引きは、心苦しくて…。

2.切り分けたり、防腐処理の手間がいらなくなる

一か所のムダな発芽を減らせるし、種イモの総数を増やせるため、
大きい種イモは、切り分ける作業が必要になります。

その、切り分ける作業自体も手間ですが、

腐敗予防として、
切り口が乾燥するまで、植え付けを待たなければならないのが、また面倒です。

すぐに植えたいときは、
石灰や、木灰を切り口にまぶすと防腐効果を期待できますが、
いずれにせよ作業も材料もと、手間ひまかかります。

参考までに

切ってから、数日放置すると、
切口が、動物でいうかさぶたのような状態になり、
病原菌やウイルスの侵入を防ぐことができます。

つまり、

小ぶりのイモを種イモに使うと、
上記の手間が省けるというワケです。

収穫されたジャガイモは、
受粉で実を結んだわけではなく、親の地下茎です。
したがって、遺伝子的な性質は親の品種そのままです。

つまり、性質の良いものを選んで、採種するというノウハウには該当しません。
小ぶりでも、性質はそのままに大きく育ちます。

病気もそのまま引き継がれるから、
健康なおイモをつかいます。

収穫時には、
喰うとこのないような小さなイモも、
たくさん採れるじゃろ。
そういうのが、種イモにべんりなんじゃ。
直径3~4㎝ほどもあれば十分じゃ。

大きいイモから、順に食べていって、
春までに、残った分を、
そのまま種イモにすればいい
ということか。
 無駄が、ないね~。

掘りたてジャガイモ(メークイン)

種イモの保存方法

食用のジャガイモの保存と同じです。
風通しの良い、日陰で保存します。

ジャガイモの跡地を栽培に利用しないのなら、
そのまま土に埋めておいてもよく保存されます。
(たまに、ネズミにはかじられます。)

食用には、必要な分だけそのつど、掘り出して利用します。

冬場の保存

地域差はありますが、当地では積雪が多いので、
雪が積もる前には全部掘り出して、凍らない場所に保存します。
(零下10℃までなら屋外でも大丈夫です。)

気温が低いと休眠期間が過ぎても、発芽が抑えられ、
植え付け期まで保存が可能です。

外気温の上がる春の植え付けのころには、芽も出始めてきて、
しっかりとした芽のものを種イモとして選べます。

留意事項 (休眠期間)

土中で保存の場合は、
休眠期間の短い「アンデスレッド」や「インカのめざめ」など、
芽の出やすい品種もあるのでその点は要注意です。

保存しているつもりが、生育が始まってしまいます。

暖かい地域では、年二回の収穫もできる品種です。 

いわゆる秋ジャガですね。
うらやましいです。

当地で、秋ジャガの成長を12月まで試してみましたが、
早々に地上部が凍結してしまい、
ピンポン玉サイズまでの成長がやっとでした。

※休眠期間の短い品種のものは、
埋めたままの保存は向きません。
収穫期を迎えたら早めに掘り出しましょう。

余談

土中に掘り残されたイモが、
翌春に発芽して伸びてくることもよくあります。

野良ジャガさんですね 


芽かきして土寄せとお世話にしてあげると収穫も見込めます。
(場所によっては、ちょっと邪魔になりますが…。)

2㎝以下の小さなイモからもヒョロヒョロの芽が伸びてきますが、
さすがにそれには大きなイモの収穫は期待できません。

病害虫を防ぐ方法・消毒法

病気の心配があるので、
種イモ用として売られているもの以外は、使っちゃダメと、よくいわれるところです。

でも、当『ぽてぽて実験農場』では、
ここ十数年、自家製の種イモで栽培を続けていますが、
何の問題もなく、きれいなおイモが収穫できています。

『なんちゃって自然農法』でやっているので、
土壌の健康度合いが高いなど、条件が違うのかもしれませんが…。

薬剤使用の消毒

市販の種イモは、消毒用の薬剤の粉にまぶしたり、
水溶液につけたりして消毒します。
これらの薬剤は、もちろん購入可能です。

 薬剤は、使いたくないなぁ~。 

※市販の種イモは、上記のような薬剤で殺菌されている可能性があります。
種イモが余ったからといって、決して食用にしないでください。

みためで選別する

自家製の種イモの場合は、
親株に、病気がなく健康に育ったものが収穫されているはずです。

自分で栽培していたわけだから、わかるはず…。

植え付けの時に、腐敗があるもの、
病気の気配があるものを取り除きましょう。

スーパーなどで買ったジャガイモも、
種イモとして使えないわけではありませんが、
病原菌やウイルスを持っていないという保証がないので、
自分の責任の範囲で試してください。

商品によっては、芽が出ないような加工をしているものもあります。 
ご注意を!

直射日光で消毒する方法

植え付け前に、直射日光に数日当てるのも効果が見込めます。
いわゆる日光消毒です。

食用の場合だと、
緑化して有毒物質ソラニンができるので日陰保存が必須ですが、

種イモにすると決めたものは、
日に当てた方が発芽も促されますし、しっかりとした芽になるので好都合です。

余談

ちなみに、
保存中、日陰のモヤシ状態で、
10㎝ぐらいに芽が長く伸びてしまうことがあります。

そういった芽は、
もったいないけど、かき取ってしまったほうがいいです。

かきとった後でも、
新しい芽は出てきます。

かじかんで枯れてしまいました。

せっかくの芽を生かしたくて、
いろいろ試してみましたが、成長は思わしくなく、手間をかけた甲斐がありません。

余談2

ちなみに、
植え付け後、余分な発芽を芽かきするじゃろ。
その時、根がついているものは
移植すると、案外、うまく育つのじゃ!

土壌の環境を整える

病害虫の被害は、連作の畑や、多肥の畑に起きやすいものです。

連作が良くない理由は、
特定の養分が減った状態の土壌であることと、

前の作物を好む
病害虫が増えている場所であることです。

また、多肥は、病害虫自体も増やす原因になります。

そもそも、ジャガイモはほとんど肥料はいらない作物です。

自家製の種イモを使う場合も、
連作や多肥を避けた方が安心です。

自然農法の考え方では、
土壌が健康であれば、病害虫の被害は少なくなるはずです。

つまり、土壌の状態の良い畑では、
自家製の種イモも、安全に使えると思っています。

丈夫そうなジャガイモの芽

自家製の種イモでの栽培経緯・ぽてぽて実験農場の場合

ぽてぽて実験農場の環境

ぽてぽて実験農場は、ジャガイモに向く酸度高めの土壌です。

粘土質気味で、その点ではジャガイモには向きません。
傾斜地なので、水はけは、いいはずです。

山の畑なので気温が上がりにくく、
その分ジャガイモの生育期間が長くなり十分な収穫が見込めています。

農薬や、化学肥料は一切使わず、有機肥料もほとんど使いません。

無農薬、無肥料、不耕耘の『自然農法』を理想としています。

そのため、耕耘を控え、雑草をはやすことで、
土中の環境を整え、生き物の循環が成り立つようにし、
自然本来の力を発揮してもらおう と思っているのですが、

そのまんまでは、ちょっと難しいので、
できる範囲で実践するという、『なんちゃって自然農法』でやっています。

自家製種イモを使う栽培の概要
(ぽてぽて実験農場の場合)

収穫と保存

初夏から、初冬にかけて、順次収穫した数種のジャガイモを、
屋外の日陰で段ボール箱に入れ保存します。

順次、食用に使っていきます。

取り出しやすいように、雪に埋まらない場所には置きますが、
冬期間はそのまま放置です。

零下10℃ほどにはなりますので、凍るものはいくつか出ます。

使いやすいものから、食べていくので、
春先には小ぶりのものが自然に残ります。

3月ごろになると芽が出始めます。
もう、気持ち的には、食用というより、
半分種イモとしての位置づけになっています。

この時期になると、厳寒期に凍ったものなど腐り始めます。

見つけ次第、廃棄します。

ぶよぶよになるのだ 

まだまだ、畑は雪深く、植え付けはまだまだ先です。

植え付け準備

当地では、桜の花とこいのぼりは標準です

5月近くなると、山の畑はやっと、雪解けです。

4か月近く雪の下だったため、雑草も地上部は消え失せ、
雪解け水をたっぷり含んだ畑が現れます。

春の日差しに、湯気が立ち上っています。

ジャガイモは、気温が30℃になるまでが生育期間なので、
生育期間を長くするため、できるだけ早い時期に植え付けます。

気が焦りますが、まだ、土壌に水が多すぎです。

粘土質なため、今の状態で土を動かすと、粘土をこねたように固まってしまいます。

種イモも腐ってしまうかもしれません。
もう少しの辛抱です。

とはいえ、前準備として、
種イモ用にと決めた分は、畑に持っていき、土の上に広げておきます。

次回、植え付けに来るまでの間、放置します。

日光消毒のためと、光に当てて、丈夫な発芽を促すためと、
選別しきれなかった腐ったジャガイモをより分けるためです。

イノシシなどが多い地域では、食べられてしまうかもしれませんが、
当地では、今のところ大丈夫です。

カラスも、盗らないなぁ

植え付け

数日たち、水が抜けたころ、いよいよ植え付けです。

実は、植え付けの場所は、昨年のジャガイモの場所と同じ場所を使っています。

てへっ!

収穫の時、土を山側の方に寄せて掘っています。

その溝になった部分の底を三角ホーで少し掘り、種イモを芽を上にしておいていきます。

そして、寄せておいた土をかぶせます。

今後の土寄せも、この寄せておいた土を使います。

お気づきでしょうか? あからさまに、連作ですよね~!

むやみに、土を動かしたくなくて~

いいのか!💦

でも、このやり方で、15年ほど栽培が続けられています。
病気で悩まされてはいません。

ニジュウヤホシテントウは出ますが、補殺で対処できています。

収穫は、十分できているんですけどね…。
ニジュウヤホシテントウ…

たしかに、連作は連作なのですが、

ジャガイモの成長が終わった後、
その場は、メヒシバや、ヤブマメ、イヌタデ、ヨモギ、ミゾソバなど
様々な雑草が繁茂するにまかせています。

雑草の繁茂が、
単一作物による
連作障害の影響を軽減させているのだ
 と思っていいのでは?

ほかの野菜との輪作の都合から、
三~四年に一回は植え付け区画は移動しています。

そもそも、
ジャガイモは不耕耘どころか、大きく土を動かさなければならない作物です。
土中の生物相が正常に保たれているとは、言いずらいものがあります。

とりあえず、
このような栽培法でうまくいっている
という実体験をご紹介いたしました。
ご参考までに…。

自分でも大雑把な栽培法だとは思いますが、
ポイントさえ押さえれば、
手間を省いたラクラクな作業でも、
毎年食べきれないほどの収量があることをお伝えしたくて、執筆いたしました。

次回は、
ラクラクな『サツマイモの自家製苗のつくりかた』をご紹介します。


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写真素材素材【写真AC】


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