サトイモの調理のコツ(ラクチン皮むき等)・家庭菜園『ぽてぽて実験農場』日記【11月13日】③ - 2021年 冬 -
サトイモの調理のコツ
サトイモの栄養成分
サトイモの主成分は、ほかのおイモたちと同じく澱粉です。
特徴としては、食物繊維が多く、おイモの中では低カロリーです。水分も多めです。
ミネラルもバランスよく含まれています。
そして、この主成分の澱粉ですが、ほかの食材の澱粉に比べてとても小さいという特色があります。
その小ささが、サトイモのねっとり感、スタッとした歯ごたえを生み出しているようです。
消化もとても良く、ぬめりが飲み込みやすさを増すので、離乳食や病人食にオススメです。
サトイモの調理法
サトイモは、一般的には生では食べません。
エグミが強くておいしくありません。
(というか、口の中が、この辺の言葉で「ヒラカライ」といわれる刺激的な状態になります。)
さらに、長芋のように澱粉を分解する酵素を持っていないので、生のままでは澱粉が消化されず、おなかを壊してしまいます。
煮物にしたり、一度茹でてから使います。
サトイモの下ごしらえ・洗う
洗い方
お店で売られているものは、ほどんと泥は落とされていますが、自家栽培のサトイモはとっても泥んこです。
土付きのほうが保存には適しているので、妥当なのですが、そのまま洗うとシンクが土だらけになります。
配水管も詰まりそうで不安になります。大事な土も、もったいないです。
そこで、おススメしたいのが↓下記の方法です。
泥んこおイモの洗い方 (簡略版)
ビニール袋に泥んこ野菜と水を入れ、大まかな汚れを落とし野菜を取り出します。
そのあと、ビニール袋に残った泥水は、時間を置くと沈殿するので上澄みだけを流します。
より詳しくは、↓こちらから
サトイモは、皮をむいて食べるものなので、丁寧に洗わなくてもよさそうなのですが、手についた汚れが、包丁で皮をむくときにおイモに移り、おイモも汚れてしまいます。
ぬめりが強いおイモなので、真黒になることもあります。
そんな時は、むいた後に流水でこすり洗いすると、大丈夫。 キレイになります。
サトイモの皮のむきかた
速くて簡単なむきかた・≪加熱する≫
お湯でゆでます。
皮をむくだけか、そのあとさらに調理するかで変わってきますが、15分ほどは茹でます。
このまま、食べるなら、串を刺してすっと通るくらいになったら、食べごろです。
少々、中心にかたさがあっても,皮むき自体には支障ありません。
お湯から取り出し、熱々のうちに、皮をつまむと…。
こんな感じに、つるん♪
これは「土垂」です。
「セレベス」もつるん♪
熱いのでやけどに気をつけて
こちらは、ぐるりと切り込みを入れたものです。
きぬかつぎで、有名な「石川早生」じゃなくても、つるん♪つるん♪です。
あとは、煮物にしてもいいし、マッシュでも…、なんにでも使い放題です。
形を重視・≪包丁でむく≫
煮物用に見た目重視にしたいときは、包丁を使います。
上下を切り落とし、縦に入っている繊維に沿ってむいていきます。
側面が6つになるよう厚めに皮をむくと様になります。
途中で止めると角がつくので、一気に刃を滑らすとキレイにできます。
ぬめりがあって、滑りやすいのでおイモをしっかり持って手を切らないように気をつけます。
高級感がでて、懐石料理みたいですね♪
かゆみ対策
生のサトイモをむくときは、手がかゆくなります。
ひとによって程度がありますが、皮膚の柔らかい部分に汁がつくと大抵の人はかゆみを感じます。
これは、サトイモがシュウ酸カルシウムを持っていて、その結晶が針状なのでチクチクし、かゆみと感じているといわれています。
これを防止するには、お酢が使えます。
あらかじめ酢で手を濡らしておけば、かゆみを防止できます。
腕の内側など皮膚が柔らかいところほど、かゆみを感じやすいので、塗り忘れないようにします。
かゆさを感じてから、お酢を塗っても間に合います。
食べかた
煮っころがし、鶏肉やイカと炊き合わせる、お味噌汁もいいですね。
そのまま揚げてタレをからませる、 マッシュにしてコロッケにする、 ポテトサラダにする、キリがないですね…。
芋煮会
サトイモといったら、東北地方では一大イベントの芋煮会ですね。
といっても、ぽてぽては、20代半ばでその存在を知りませんでした。
転勤族になって、
同僚から 「イモニカイ、やるぞ~!」
といわれ、
「ナニ、ソレ。オイシイノ…?」
とポカーンとしたものです。
実際、美味しかったのですが、豚汁風なのかなと思えば、別のグループでは牛鍋風だったり…、
今でもよくわかりません。
沖縄のビーチパーティに近いのかもしれません。 集まることが主目的かな?
ターンム
沖縄といえば、サトイモの一種で、ターンム があります。
「たーんむ」=田芋(タイモ)、浅く水を張った畑で、栽培するサトイモだそうです。
沖縄は、首里に2年ほど住んでいたのですが、公設市場に行かずとも、普通のスーパーで、紫がかった・グレーの・ソフトバールほどもある、何かが売られていました。
すでに蒸してあるようです。
そばには、手書きのポップに ターンム と殴り書きされています。
高級食材らしく、結構、値が張っていました。
ほかにも、ナーベラとか、ンスナバーとか、聞き覚えのない食材には事欠かないのですが…。
見た目の迫力に負けて、ついに買うことはなかったのです。 後悔しています。
ターンムは、ターンムディンガク (田芋田楽?)といって、砂糖で甘くして栗きんとんのように食べたり、ドゥルワカシー(泥沸かし!)といって練り物や肉、シイタケなどの具材と炊き合わせたペースト状の料理です。
ターンムジと呼ばれるターンムの茎も重要な材料です。
いずれも、正月や祝い事の時に食べられる、おめでたいご馳走です。
食べつけない感じはあったのですが、エキゾチックで楽しく、美味しかったです。
ずいき・芋がら
さて、ターンムジ、いわゆるずいきですね。
サトイモの茎がずいき(芋茎)でそれを干したものが芋がらです。
芋がらは、救荒食。 芋がら縄(芋がらを編んで帯や、ロープとしてつかう。)は、戦国時代の携帯食料と、
サバイバルなイメージが強いですが、おいしいという話も聞きます。 水で戻してから使います。
今後だって、どんな時代になるかわからないし、未知の栄養成分があるかもしれません。
きっと、忘れてはいけない食料ですね。
ずいきのあく抜き
ずいきは、あく抜きをする必要があります。
皮をむき、酢水(2ℓに大匙2程度)に一時間ほど浸し、さらに酢水でゆでます。それをさらに水でさらします。
ずいきは、サトイモの茎なのですが、すべてのサトイモの茎が食べられるわけではありません。
毒ではないのですが、土垂はアクが強すぎて食べられません。
八ツ頭の茎が一般的です。 赤ずいきと呼ばれます。
軟白させたものが白ずいきです。
青ずいきは、ハスイモの茎で、別種になります。
セレベスの茎は、食べられるようなので、機会があったら挑戦してみます。
ジギイモ
このあたりの、古めの人はサトイモのことをジギイモと呼びます。
じぎいも…? ずいぎいも➡ずいきいも、かな?
ずいきイモ、そういう名の種類は、確かにあるけど、このあたりでは見かけたことはありません。
土垂は、ずいきは食べないし、八ツ頭もあまり売っていません。
母は、
「ずいきは、うまくあく抜きできれば、なかなか美味しかった。」
というので、日常的に食べていたようだし。
セレベスをさすのだろうか? それとも、土垂の茎を上手にあく抜きする方法があるのだろうか?
うーん…。
頭、グルグルです。
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