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羽化の瞬間をキレイに撮影するコツ《モンシロチョウ》

2022-11-10

羽化の瞬間を撮影するコツ

横長にすると、スマホで、見やすくなると思います。
すみません。

前回は、羽化を見るために、その時期やタイミングの詳細をお伝えしました。

せっかくなら、キレイな動画や画像として残しておきたいものです。

手持ちの一般的なカメラやスマホでも、
ちょっとのコツで、グッと見栄えのする撮影ができます。

羽化の瞬間の撮影に必要なもの

カメラ、スマホ
一般的なもので十分です。

三脚
手ぶれ防止に必須です。クリップ式のものでもOKです。

環境

羽化の瞬間の撮影に必要な『 環境』 とは

屋外で自然の景観を背景に、羽化を撮影できたら、もう最高だと思います。

しかし、なかなかそこまで手間も時間もかけられません。

そこで、日常生活をおくりながら、
片手間でもキレイに撮影するために、まえもって環境を整えておきましょう。

幸い、被写体は時期がくるまで、
そこでじっとしているので、いくらでもリハーサルが試せます。

失敗例 環境が整っていない動画

じつは、こちら、一番最初に撮影した動画です。

ノープランで、羽化を待っていたので、背景はぐちゃぐちゃ、手ぶれでグラグラ。
記念すべき第一弾なんですけどね…。 バタバタです。

被写体のサナギの体裁を整える方法

さて、アオムシは自分で気に入った場所まで行き、そこで蛹化します。

そこが、物陰になっていたり、
撮影しにくい場所であることも多いです。
また、サナギが落っこちてしまうこともあります。

そんな状態だと、思い描く理想の羽化シーンを採るのは難しそうです。

そこで、写真映えするような状態に持っていく、テクニックを使います。

図は、水槽を縦にした飼育ケースです。

黄色の丸がよくサナギがくっついている場所です。

飼育ケースの、天井、側面、角、容器の縁も
つかまりやすいのか、よくサナギになっている場所です。

とまり棒も入れておくのですが、あんまりそれにはついてくれません。

いずれも、撮影が難しい場所で困ります。

どうせなら、こんな↓感じの写真を撮りたいです。
この形を作ってしまいましょう。

羽化直後のキアゲハ

サナギの体裁を整えるために準備するもの

カッターナイフ

両面テープ

50㎝ほどの長さのペンほどの太さの棒

棒を立てるための花瓶

ステップ 1 サナギをとり外す

サナギは、しっぽの先がシルク的なもので接着されています。

あとは、両端が固定された糸が
ぐるりと首の周りを囲っています。

この二か所のみで、固定されています。

しっぽの先の接着部分をくっついている場所から、
カッターの刃の先で丁寧にはがします。

くれぐれも、サナギに傷をつけないよう慎重に行ってください。

写真は、キアゲハのサナギですが、
接着部分がよく見えるので参考に。

首の周りを囲んでいる糸を外します。

両側の糸の接着部分近くをはがします。

糸自体は想像以上に硬く、丈夫で簡単には切れません。

キアゲハですが、接着部分がよく見えるので…。

この糸は、剥がした時点で支えの役目は、もう、果たしませんが、
撮影の際にあったほうがそれらしくなります。

ステップ 2 サナギを固定する

棒に、両面テープを貼って、
そこへはがしたサナギを、そっと、くっつけます。

この棒は、自然素材のほうが見栄えもいいし、
チョウもつかまりやすいのでオススメです。

例えば、殺虫剤の心配のない庭木の枝など、
手頃なものがあれば、手に入れておきます。

両面テープを貼る場所を、平らに削るとよくくっつきます。

丈夫な草の茎でも大丈夫です。 
今回、使っているのは、昨年の秋に用意したオオヨモギの茎です。

小さな枝がついているとか、でこぼこが多いとか、
チョウがつかまりやすい形状であれば、最高です。

棒に両面テープを貼る

両面テープを、棒の、どの位置に貼るかですが、

棒を、花瓶など支えるための何かに立て、

三脚にスマホなどをセットし、

モニター画面を見ながら、

撮影しやすい位置を検討します。

例えば、架空のサナギを想像しながら、
花瓶とカメラの距離、角度、三脚の高さなど決めます。

もちろん、チョウがつかまりやすい個所、見栄えのいい箇所など検討し、
棒の長さなども調整します。

そして、位置が決まったら、
両面テープを1.5㎝ほど切り取って、棒に貼り付けます。

その両面テープの位置へ、サナギをくっつけることになります。

サナギを棒に貼った両面テープにくっつける

それでは、サナギを貼り付けましょう。

サナギのおなか部分は
少し平らになっています。

そこを、粘着部分にそっと押し当てると、サナギは固定されます。

モンシロチョウ程度の、軽いサナギであればこれで大丈夫です。

加えて、この時、肩を固定していた糸の端も、
テープにくっつけると、なお、見栄えが良くなります。

棒の形状などで、安定しないときは、棒を少し削って平らにしてから、
両面テープをつけてみます。

テープの粘着部分はサナギの頭より前へ出さないほうがいいです。

チョウの足の運びがテープで邪魔されたら大変です。

落ちちゃったサナギのケアとしても、
この方法は使えます。

被写体の背景を整える方法

上記で、被写体の準備はOKですが、
さらに、背景や光の当たり具合にも気を配ってみましょう。

バックスクリーンを使う

室内、それも生活している自室で撮影となると
家具や小物などが写りこんでしまいがちです。

見た目もごちゃごちゃするし、個人情報も漏れてしまいます。

そのためには、写真館のように、撮影用のバックスクリーンを使い、
余計なものが写りこまないようにするのが一番です。

といっても、板やカーテンなどを利用する程度で十分です。

なぜなら、被写体が小さいので、
モニター画面に写る範囲をカバーするだけすむからです。

小規模なので、設置したままで羽化を待っていても、
生活に支障が出なくて、好都合。

おススメしたいのが、ホームセンターなどで売っている青色の板状の断熱材です。

その資材は、強い反射光もないうえ、色が青なので、なんとなく自然に見えます。

さらに、軽いので立てかけやすく、倒したとしても被害があまりありません。

光の方向を意識します

撮影の際は、室内なのはやむを得ないのですが、
それでも、窓からの明かり、自然光で撮影したほうがいい感じになります。

とはいえ、
自然光といっても、特別な効果を求めるのでなければ、
窓側を背景にしての撮影は、
逆光になり、被写体が暗くなってしまうのでさけます。

逆光だとシルエットに…

おススメの配置

このように、↓窓からの光がサナギに当たるよう、
室内の窓(光源)の反対側にスクリーンを設置します。

そして、その前に被写体のサナギを置きます。

撮影するための機材(三脚付きのスマホ等)を置く位置を、
モニター画面を見ながら、決めていきます。

その時に、三脚の影が入ったり、スクリーンの位置が近すぎると、
サナギの影がスクリーンに出ちゃったりするので、角度や、位置を微調整します。

縦長で撮るか、横長で撮るか

結論を言えば、縦長画面、横長画面どちらでも、お好みでいいと思います。

例えば、横長だと動画にしたとき大きな画面にできますし、
編集の手間があまりいらないです。

また、より接近して大きくとりたいときは、縦長のほうが撮りやすいです。

なぜならば、
サナギから抜け出して、チョウは上へ登りますし、
下へ向かって翅がどんどん伸びていくからです。

つまり、羽化は上下の動きが主になるということです。

それから、動きに関してですと、
羽化したチョウは、しばらくは飛べないのでとまり棒にしがみついていますが、
たまに、くるんと棒の陰に回り込むこともあります。

そうなると、困ったことに、肝心の部分が棒で隠れてしまいます。

そんな時、棒を動かすか、三脚ごと回り込むか、
あらかじめ対策を立てておくと慌てずにすみます。


サナギの下に汚れ防止のシートを敷きましょう。

さて、これは、撮影とは関係ない情報ですが、
羽化後のチョウは、蛹便とよばれる液体を排出します。

室内を汚さないために、
なにかそのまま捨ててもいいもの(古新聞紙など)を敷いておきましょう。

菜の花にモンシロチョウ

羽化の瞬間の動画もご覧ください。

動画  モンシロチョウの羽化の瞬間

サナギの固定部分が不細工なんですが、細かいところまで、よく映りました。


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ぽてぽて実験農場記’22 過去記事はこちら

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